醤(ひしお)と醤油麹の違いについて

ご訪問頂きありがとうございます。

醸研究所の醸せ師hikarinです。

この記事の冒頭ご紹介したシティライフ8月号北摂WEST(吹田・豊中・箕面・池田)に続き、北摂EAST(高槻・茨木・摂津)にも掲載していただきました!!

北摂WESTは掲載P24~25、北摂EASTは掲載P20~21です。

この「発酵のススメ」特集で私がオススメしたのが【醤(ひしお)】なのですが、

記事をみた方から「醤(ひしお)って醤油麹とは違うんですか?醤油麹と同じように使ったらいいんですか?」と質問がきました。

そっか~!醤(ひしお)って醤油麹よりも認知度が低かったのね(´;ω;`)ウゥゥ

というよりも、私の場合、味噌や醤油と同じように醤(ひしお)が身近にありすぎて、醤油麹のことなんて目に入ってなかったんだよね~(;’∀’)スミマセン。

ということで醤(ひしお)と醤油麹の区別があいまいな皆さんに私なりの見解を参考までに書いておこうと思います。

では行ってみよう~!!

 

しょうゆ麹の本来の意味

今では発酵調味料としての不動の地位を獲得した塩麹。

これは米麹と塩水で作るものですが、この塩水にかわって醤油を使い、米麹をまぜて作られているのが、塩麹に続けと作られた醬油麹です。

しかしながら本来「しょうゆ麹」と呼ばれているのは、醤油を作るために仕込まれる麹のことで、これは蒸した大豆と、炒って砕いた麦に麹菌を繁殖させたものになり、このしょうゆ麹に塩水を加えて発酵・熟成させたものが醤油となるのです。

なので呼び方は同じ「しょうゆこうじ」ですが、醤油を作る材料としてのしょうゆ麹と、調味料としての醤油麹は全くの別物というわけです。

音だけだとややこしいので、ここでは「しょうゆ麹」と「醤油麹」として使い分けたいと思います。

 

そもそも麹とは

麹とは米、麦、大豆など穀物にコウジカビなどの食品発酵に有効なカビを中心にした微生物を繁殖させたものである。コウジカビは増殖するために菌糸の先端からデンプンやタンパク質などを分解する様々な酵素を生産・放出し、培地である蒸米や蒸麦のデンプンやタンパク質を分解し、生成するグルコースやアミノ酸を栄養源として繁殖する。(Wikipediaより)

麹には100種類以上の酵素が生成されることが分かっていて、こうした麹の性質を利用して世界に誇る発酵大国となった日本にはコウジカビは欠かせないわけです。

麹由来の酵素代表格はアミラーゼとプロテアーゼでしょうか。

Wikipediaにも書かれていますが、アミラーゼはデンプンをブドウ糖(グルコース)に、プロテアーゼはタンパク質をアミノ酸に分解します。

2006年には日本醸造協会によって国菌として定められてたりもするコウジカビ。

ちなみに登録されたのはニホンコウジカビ(黄麹、Aspergillus oryzae)、ショウユコウジカビ(黄麹、Aspergillus sojae)、アワモリコウジカビ(黒麹、Aspergillus luchuenisi)、白麹菌(Aspergillus luchensis mut.kawachii)の4種類(このカワチ菌で作られるマッコリが美味しいねん♡そんな話はおいといて(笑))

お米に麹菌を繁殖させたものが米麹と呼ばれ、大豆に繁殖させたものを豆麹、麦に繁殖させたものが麦麹となります。

ここまでOK? 理解できたかな?

では次いってみよう~

 

醤(ひしお)と醤油麹の違い

麹の種類が分かったところで、醤(ひしお)と醤油麹の違いを見てみると

醤油麹=米麹+醤油 で作られますが、

醤(ひしお)=豆麹+麦麹+醤油+水(+昆布)で作られます。

そう! 使われている麹の種類が違うんですね~!!

醤油麹は米麹が使われているので、甘いお醤油のような感じになるのですが、醤(ひしお)は豆麹と麦麹なのでタンパク質も多いから、その分旨味が多く、麦の甘味と混ざり合うことで深いコクのある味になります。

以前、武庫川女子大学の松井徳光教授の発酵セミナーに参加した時に、麹の分解能力を調べるのに甘酒と醤を比べた実験をしたのですが、甘酒よりも醤(ひしお)の分解能力が高かったんですね。

甘酒は米麹から作るので、この時の結果も重ねてみると、旨味の量・酵素力どちらも醤油麹より醤(ひしお)の方が優れていると私は思います。

実際にひしおの麹を作っている蔵人さんにも聞いたら「醤油麹より醤(ひしお)の方が旨味の量も酵素力も優れていると思います。」という見解もいただきました。

醤(ひしお)と醤油麹の違い、分かっていただけたかな?

 

好きな味で作るがよし!

醤(ひしお)と醤油麹の違いがわかったうえで、どちらの調味料にも言えることを書き加えるとしたら、それは「好みの味」を見つけてほしいという事!!

材料や、ポテンシャルに違いはあれど、どちらも麹に醤油を加えて発酵させるという点では一緒ですよね。

なのでお醤油を自分の好きな味のお醤油にすると、出来上がりの満足度が違うってわけです!!

お醤油も白、淡口、濃口、再仕込み、溜とあり、更に等級があったり、醸造法が違ったりと各蔵元さんで個性が変わってくるので、試そうと思えばいくらでもできます。

でも家に醤油ばっかりそんなにいらないだろうから、そういう時には100㎖から買える職人醤油さんのサイトがオススメです。

もっといえば、麹の味でも変化する!!!

醤(ひしお)だったら旨味を強くしたいなら豆麹を増量するとかね(^_-)

さらにいえば、醤油じゃなくても作れるんです~!!!!

でもこれ言い出すとわけわからなくなるから、また別の記事に書きますね。

ちなみに各蔵独自の割合で豆麹と麦麹をブレンドしたものが「ひしおの糀(麹)」として販売されています。

これは味のバランスはもちろん、初めての人でも失敗しないように考えられているのでオススメです。

【メール便送料無料】ひしおの糀 550g オーサワジャパン

 

あと岡山のまるみ麹本店さんからも「ひしおこうじ」が販売されてますよ。

家で発酵させるよりもまずはどんな味か試してみたいという方には、お店などに熟成した醤(ひしお)が販売してるので見つけたら買ってみてください。

きっと家で作りたくなりますよ~(*´艸`*)

 

最後に

醤(ひしお)と醤油麹の違いわかってもらえたでしょうか?

あと しょうゆ麹もね(^_-)

わたし的には醤(ひしお)の認知度がもっともっとあがってくれることを期待しますが、醤であれ醤油麹であれ、発酵という大きな大きな営みが私たちの食生活に根ざされていることを知るきっかけになってくれたら嬉しいな~と思ってます。

発酵がブームとかいわれてるけど・・・流行ることをバズってるって言うらしいね。この前息子(小6)に説明してもらって初めて知って、何語やねん!と突っ込んだ私は昔人(笑)

発酵はバズってるんではなく、日本が誇る食文化です♡

でもバズってるってことは注目されてるってことだからヨシとしとこ~(*´▽`*)

最後までお読みいただきありがとうございました。

醸せ師hikarin@醸研究所

 

 

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